ひめゆり |
- 「ひめゆり」を上演してもらったことには大きな意義があると思います。
舞台を観て、体験者たちから聞かせてもらった証言を反芻し、あらためて、10代の彼女たちが懸命に戦場で生きる姿を想像していました。そのことが、とても意味があることだと思いました。こういう機会がないと、ひめゆり学徒隊の事実に全くふれることがないまま大人になってしまう子が沖縄の中にもいると、私たちは思っています。沖縄の高校で「ひめゆり」を上演してもらったことには大きな意義があると思います。 - 『慰霊の日なんて面倒くさい』
印象的だったのが、冒頭の「慰霊の日なんて面倒くさい」「戦争なんて嫌いだし、考えたくない」という意味のセリフ。一気に、みんながシーンとなって劇に引き込まれたように感じました。勝手な推測ですが、今の高校生たち、同じように思っている子たちはいっぱいいると思います。でも、あのセリフを聞いて初めて、客観的に「こんな風に聞こえるのか」と、何か「はっ」としたのではないか、と思いました。 - 戦争のことを知るという「経験」
「伝えたい」という強い思いがあればその思いは伝わる、とトマト座のみなさんの演技を見て感じました。「戦争体験は体験者にしか伝えることができない」という意見があります。でも、体験者と全く同じには伝えることはできなくても、私たちが何を伝えたいのかを明確に持っていれば、その思いは伝わるのだと信じています。すぐに伝わらなくても、戦争のことを知るという「経験」をすることで、次の何かのきっかけで、思い出し考え出す「種」になるかもしれない。体験者の人たちもきっとそれを信じて、伝え続けてきたのだと思います。
リハーサル風景 |
全国各地で「ひめゆり」の上演を始めてから5年。沖縄にこの作品を届けることは兼ねてからの願いである一方で、大きな覚悟がいることでした。
ご観劇後に反応を伺うと、有難いお言葉の数々。勇気をもらう劇団員たちでした。
観ていただいた沖縄の方々からの想いを引き継ぎ、亡くなられた多くの尊い命と沖縄戦の史実と誠実に向き合って、これからも何かのきっかけになるような種まきをしていきたいと思います。